NISAの具体的な活用法 –活用が難しい税制をうまく使い切る3つの戦術
過去のブログ記事でも紹介しましたが、今年から始まったNISAについて活用法をご紹介します。
過去の記事はこちら↓
GlaxoSmithKline plc (GSK) 配当が出ました –NISA口座活用中、イギリスに本社を置く世界第6位の製薬企業
まずは、NISA活用の話の前に、前提の投資法を踏まえないといけませんので、私の投資戦略の大枠からお話します。
私の投資法の特徴ですが、ブログのタイトルにもある通り、
- 「価値」のある会社が、何かの事象によって「価格」が大きく乖離するところを突く
- 時間軸としては、会社に価値が有る限り、我慢強く価格が戻るまで待つ
- 価値判断は、会社の利益の源泉を出来る限り調べる。成長する会社を選択し、割安だという理由だけでは購入しない
です。
では、NISAの税制はどのような特徴があるのでしょうか?
NISAは上記のグラクソ・スミスクライン社の記事でも書きましたが、次のような特徴があります。
- 毎年100万円を上限として設定
- 国内外の株式・投資信託の譲渡益や配当(分配金)の税金がゼロとなる
- なお、株式や投資信託の取扱銘柄、品目は証券会社によって大きく違うので要注意
- 非課税期間は5年間
- 1人で1口座となり、それ以上は口座を開くことはできない
- 口座を開くと4年間は他の金融機関に乗り換えられないので注意
非常に有利にな点は、やはり税金の免除の点です。証券の税金については、これまでの10%から大きく上がり20%になりましたので、この税率が非課税になるのは大きいです。
ただ不利になる点があります。それは何でしょう?
私は上述のように比較的時間軸を使って、価値と価格のギャップの戻りを待つ戦略なので、NISAの1年間の枠×5年という時間の縛りを付けられることについては非常に難しくなります。
正直、1年以内に一番いい時期に割安な株式を見つけることについては、全く自信がありませんし不可能です。
では、このメリットとデメリットを踏まえてどのような活用法があるでしょうか?
今回は、私のような長期投資戦略の場合の、取るべき3つの戦術をお話しします。
一つ目はリスクを減らすということ。つまり上述のデメリットをあまり受けないようにするということですが、具体的には、1年後に上がった、下がったで資産を危ないところにさらさないこと。簡単に言うと1年後に見越せる利益に投資をするということです。
結論的には、配当ですね。配当が確実に出る会社に、その会社が少しでも下がったところを拾っていきましょう。どっちにせよ1年以内でいつが安いかなどは神様でも予想できないことなので、少しでも下がったら買えばいいと思います。
二つ目ですが、時間軸のデメリットを消す方法を考えること。ラッキーなことに、NISAは5年間続きますので、1年以内に安いところを拾うのは不可能としても、5年間あれば価格も価値に応じて戻ってくるだろう、という仮定で投資します。
私の経験でも、ひどく暴落したものでも5年あればそれなりに戻りますので、ここの期間を利用します。
ということで、二つ目は、1年単位の時間軸でネガティブなニュースが出た時を買い時とします。ヤフーニュースなどで、世界的に経済の減速や信用不安の事柄が出て、ニューヨークや東京が大きく下げた時に買ってみましょう。
ということで、二つ目は、1年単位の時間軸でネガティブなニュースが出た時を買い時とします。ヤフーニュースなどで、世界的に経済の減速や信用不安の事柄が出て、ニューヨークや東京が大きく下げた時に買ってみましょう。
三つ目は積極案です。一つ目と二つ目がデメリット、リスクを減らす戦術でしたが、三つ目は増やす方の戦術です。
こちらの戦術は、5年後の利益を享受するために、比較的成長しそうで、その成長が安定しているものを購入します。これは正直言って難しい注文ですが、大ゴケしない市場(国)で、安定している会社を選びます。
以上の条件で、今のところ私が購入した、もしくは購入を検討している会社は、以下のものです。
- アルトリアグループ(MO) ⇒ 5%近くの配当利回りで、数十年安定して増配を継続中(購入済み)
- グラクソ・スミスクライン社(GSK) ⇒ 5%近くの配当利回りで、50年近く安定して増配を継続中(購入済み)
- ムーディーズ ⇒ 参入障壁の高い事業を展開しており、安定して事業成長をしている(購入済み)
- マグロウヒルファイナンシャル ⇒ 参入障壁の高い事業を展開しており、安定して事業成長をしている(購入予定)
あまり面白くない会社だと思われる方も多いと思いますが(笑)、NISAという時間に制約がある制度ですので、どうしても安定的な会社になってしまいますね。短期売買には向かないですので、そのような投資法の方にはあまりお勧めしません。また、そもそも短期売買やテクニカル手法は私は好きではありませんし、知見もないので短期投資のアドバイスはご容赦下さい。
(テクニカル投資法について –人間のパターン認識と心理で間違いを起こす3つの理由)
では、NISAの特徴をうまく活かして楽しく銘柄を選択し、1年の間にうまーく株式を購入してみてください。
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