街角経済 28 村上世彰さんの出版記念セミナーに参加してみた --「生涯投資家」について。

2017年6月23日(金)に、文藝春秋社で行われた、村上世彰さんの出版記念セミナーに出かけてきました。
村上さんは、2000年台、村上ファンドで一世を風靡しましたが、2006年6月23日、証券取引法のインサイダー取引容疑で起訴されました。

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この出版記念セミナーは、今回出版された書籍「生涯投資家」のセミナーですが、本の値段が1,700円。一方、このセミナーは2,000円で、本もセット。実質プラス300円でお話を聞けるのでかなりお得なセミナーでした。

場所は、紀尾井町の文藝春秋社にて。
今回は1時間10分ほどの講演と、15分ほどの質疑応答でしたが、講演でお話しいただいた話題と質問と答えを書きますね。

■村上さんの話の内容

話の冒頭は、2016年に強制調査が入った話題から。合わせて、娘さんの話や二人のお孫さんの話が続きました。最初の方は、家族を中心に取り留めのない話題が続きました。
普段の生活はシンガポールで6時に起きて、株価をチェックして、ランニングなどをしているようです。ご本人は、多動症とのことで、集中しすぎて周りが見えなくなることも多いようで、日々の生活で注意をしているようです。

なお、2017年から、投資について再起動し始めているようで、現在では海外の案件、キュレーションサイトなどの会社を購入しているようです。

また、今回の本の話については、8、9章が自分の主張。それより前の章は過去のことなのであまり思い出したくないことが多いようでした。ただ、それを書かないと売れないと言われたとのこと(笑)。ただ、どうしても書きたかった未来のこと8、9章を書かせてもらって感謝しているとのことでした。なお、第8章は、日本への提言。第9章は、失意の10年です。
この本を書くために、自分の時間を1000時間、アシスタントの時間を1000時間×2人で計3000時間ほど使ったとことで、笑いながら割に合わないとおっしゃっていました。

■幻冬舎、見城徹さん

次は、幻冬舎の見城さんの話題。見城さんは角川のエースで、その後独立し、幻冬舎を上場までさせました

またその後、幻冬舎を上場廃止にする時に、村上さんは次のようなアドバイスをしたそうです。
MBOをする時のリスク
・買取価格が安いは批判される
・買取請求
・オーバービットされる

このMBOの時に、誰かが買い上げようとしていたようで、いまでも村上さんは見城さんから、村上が買い上げたと疑われているようです(笑)。
それに関しておもしろエピソードとして、疑惑を払拭するために、あるパーティーで見城さんにプールに突き飛ばされて、水に流されたとのことです。

■文藝春秋社について

今回の出版は文藝春秋社さんからの出版となっています。次の話題で文藝春秋社は優しい人が多い、いい人が多いとして褒めていました。ただ、これでは幻冬舎に勝てないとギャグで応えていましたね。

■蔦屋の増田さん

次の話題は、TSUTAYAの増田宗昭さんのお話しでした。
増田さんの話として、ディレクTVへの出資、経営の話や、角川の株式の話など、面白い話が聞けました。

この話題に合わせて、現在仕掛けている黒田電気の話もされていました。今回はできるだけ株式投資の話はしないとのことでしたが、黒田電気についてはコーポレート・ガバナンスがひどい会社でよっぽど腹に据えかねる状況なのか、戦っても改善させるとおっしゃっていましたね。

■NPO

このところはNPOへの出資もよくやっているようです。NPOは心の投資であるとおっしゃっていましたね。NPOはお金を出す人もいるし労力を出す人もいる。
シビックフォース
ピースウィンズ、大西健介。広島で犬猫を引き取る。

最後に、目立つのは怖いことであるを強調されていて、これからも逮捕もあるのかなーとおっしゃっていました。今回が最後の講演会かもと。

■質問コーナー

最後に質問コーナーが設けられていました。それをご紹介。

・星野監督から天罰を受けると言われた件について、当時はどう思いましたか?
怖い。阪神は怖い。大阪出張時に100人に取り囲まれた。また、新幹線グリーン車で絡まれた。
さらに、やっぱりマスコミが一番怖い。

・朝起きて見るマーケットは?
ニューヨークの先物。マーケットの閉まる寸前が一番面白いため。

・親友は何人くらいますか?
10年前から減って、数人。堀江さんは付き合いは長いが、友達にはなれていないと思うとのこと。
総じて、なかなか友達(親友)は多くない。

・東芝について
西武鉄道、オリンパスの例を引き合いに出した上で、上場廃止でも買い手は必ず出る。
オリンパスは国が守った。東芝も守るだろう、とのこと。
東芝は大きくて潰せないが、ライブドアは小さかったので潰された、と笑いを取っていました。

・コーポレート・ガバナンスについて
金融庁、伊藤さんがつくっている。伊藤さんは憧れ。

・尊敬する投資家は?
コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)のクラビスさん。ナビスコのMBOによる買収の話が出ました。
また、ロバート・モンクスの名も。
日本で頑張っている投資家は孫さんとのことです。

・阪神電鉄買収の裏話
阪神電鉄買収時は、京阪電気鉄道との合併をもくろんでいたそうです。さらにその先には関西の鉄道会社を全部合併させようとしていたとのこと。

この質問に答えていたのときに面白いことが。
突然、前の壁に貼ってあった今回のセミナーのポスターがいきなり落ちました。少しびっくりされた様子で、「いやー、まずいこと喋っちゃったなかなー」、と笑っていましたね。

・投資として注目している国は?
経済発展をしている国。株式市場の時価総額は、GDPと比較的パラに動く事が多いので、GDPが成長している国がお気に入りのようです。例として現在の東証の時価総額が500兆、日本のGDPが500兆円などの話をしていました。
成長しそうな国として、フィリピン、ベトナム、インドネシア、バングラデシュ等々、アジア諸国を挙げていたのが印象的でした。

・投資を続けるモチベーションは?
挫けない心。
過去を振り返っても仕方ない。
悔やまない。
子供が多いことなどを上げて、今後は小中学生にお金のことを教えたいとも。

・現在公務員の方からの質問で、役人は辞めるべきか?
辞めるべきではない。なぜなら既得権益だから、と笑いを取っていました。
なぜ自分がやめたかは、親の資産があったから、自分が環境に恵まれていたから、と冷静にお話されていました。

全体的に、これまでの面白話を雑談調に話をされていましたが、どのお話しも面白く時折大笑いできるネタもありました。約60分間のトークは全く無駄のないストーリー展開だったと思います。

まあ、私達が真似をできる投資方法ではありませんが、村上さんの人柄や人生経験を聴くことができる貴重な時間であったと思います。

この記事のまとめ:

  • 村上ファンドの、村上世彰さんの出版記念セミナーに参加
  • 村上さんの人となりがわかる1時間半の有意義な話が聞けた
  • これまでの投資や企業買収、今後の話を面白おかしくして頂けた