村井直志先生の管理会計セミナーに出席して2 –固定費管理から事業部制評価、投資の妥当性評価など。サンクコストも気にしよう
6月から7月に渡り、合計4回の公認会計士『村井直志』先生の管理会計セミナー『強い会社に学ぶ儲けのしくみと管理会計』に出席してきました。
2日間の午前午後の計12時間に及ぶセミナーで、内容は、
第1回採算ラインをどう弾く損益分岐点(BEP)の求め方
第2回儲けをつかむ、経営指標・KPIの使い方
第3回新規ビジネスは、固定費管理がポイント
第4回経営改革に!コミットメントの重要性
となっています。
今回はそのうちの2日目、3,4について記述します。
第1回目、2回目の様子はこちら。
村井直志先生の管理会計セミナーに出席して1 –CVP分析から売上分解、KPI設定まで
第3回目になっていよいよ固定費の話になりました。
この回では、固定費を次の2つのものに大別しました。
- 設備関連
- 人件費関連
そのうえで、前者は投資の経済性、投資の妥当性評価の解説をしています。後者は人材をコストと扱わない、「人時管理」の必要性を説明いただきました。
原価の話の一つとして、理解が難しい「埋没原価」(サンクコスト)の話が出てきました。プロジェクトの事例を通して各種原価の解説をしていただいたのですが、サンクコストは特に注意が必要な原価なので非常に勉強になりました。
サンクコストとは、各種投資案のうちどの代替案でも回避が不可能な原価で、将来のフリーキャッシュフローに全く影響を与えないものです。ですので、投資の際には無視をしなければいけない原価なのですが、一度投資をして回収できていない案件はどうしても人間は気になってしまいます。それに引っ張られて、最良の投資案件を逃してしまうことがいろいろな事例で見受けられますので、投資をするものは非常に注意をしなければいけない原価となります。
会社の投資案件もそうですが、株式投資でも基本的な考えとして持っておかなければいけない概念ですし、サンクコストを切って新たな案件に乗り換える場合は心理的なバイアスもかかりますので、ルール作りや心を律する冷静さが必要となるでしょう。
第4回目は、「人時管理」からアメーバ経営の話でした。
アメーバ経営を成り立たせるために、
- 役割・責任の明確化
- 時間あたり付加価値
- タイムリーな経営上情報の提供
が挙げられています。
最後には事業部の妥当性評価へと進み、限界利益、貢献利益での評価の重要性をご教授頂きました。特に、管理可能個別固定費、管理不可能個別固定費、共通固定費の配賦はあまり意味がなく、まずは限界利益額、限界利益率での評価が重要であることを叩きこまれました。
以上で、2日間4回に渡るセミナーの報告です。
今回のセミナーで、私も会社の実務のさらなる向上・改善、投資戦略の見直し等、学ぶところが多かったです。
最後に貴重な機会を頂いた村井先生に感謝したいと思います。
追伸:
村井先生の著作、強い会社の「儲けの公式」 [単行本(ソフトカバー)] 村井 直志 (著)
書評を入れさせて頂きました。書評はこちら↓。
村井直志先生の「強い会社の「儲けの公式」」 –6つの企業事例に隠された「売上最大」「経費最小」のカラクリ
村井先生の著作全体は以下の通りです。
村井直志先生の著作
興味のある方はぜひご一読を。
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