「フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~」 読了 --価値と価格の文化観がフランスとアメリカで対比されていて面白い!
当書籍は、米国カリフォルニアの女性が大学時代、フランスに留学した時の体験を体験記の形式で記述したものです。ただの体験記ではなく、フランス人の価値観がテーマとなっており、シンプルでシックな生き方を紹介しています。
今、ベストセラーになっており、書店の店頭に山積みになっていますが、私はこういうベストセラー本はあまり手に取らないのですが、今回は直感的に感じるところがあったのでパラパラと見てみました。どんな直感かというと、私は「フランス人があまり服を買わず、買う時も何回も下見をして購入する」という話を大昔聴いたことがありました。それくらいフランス人はいいものを買うのに時間をかけるという話ですが、私も30代を越えた頃から、「もの」は結局壊れてしまうため、いいものを長く使おうという考え方を持ってきました。このブログのテーマのFair Valueにも通じる考え方です。
タイトルと目次をちょっと眺めたところで、私のFair Valueの考え方が本からイメージ出来たため、手にとって見たわけです。さて、購入してみると予想通りというか、予想を超えた内容で、本当に買ってよかったと思っています。
章立ては、16のテーマを取っており、
- 間食はシックじゃない
- 食べる喜びを我慢しない
- 面倒がらずに体を動かす
- 10着のワードローブで身軽になる
- 自分のスタイルを見つける
- ノーメイクみたいにメイクする
- いつもきちんとした装いで
- 女らしさを忘れずに
- いちばん良い持ち物を普段使いにする
- 散らかっているのはシックじゃない
- ミステリアスな雰囲気を漂わせる
- 物質主義に踊らされない
- 教養を身につける
- ささやかな喜びを見つける
- 質の良さにこだわる
- 情熱を持って生きる
となっています。
すべての章に共感出来ました。物量にこだわらず、質を追求していくことで生活の質も向上できるという考え方は非常に良いなと思います。
私も少しずつ断捨離を進めていて、逆にものを買うときは非常に慎重に買っています。これまで特別、選んで買ったものといえば、
- 高校生になる時に両親に買ってもらったセイコークォーツの腕時計 → 31年経った今も現役で使っています。
- 奥さんに買ってもらった桐製のパイロット万年筆 → 現役です。
- 職場でお茶をのむようになってから購入した、開化堂の茶筒 → 真鍮製。一生使えます。
- 同じく、常滑焼のカップ
- Hertzのビジネス鞄
で、全て現役ですし、生活に彩りを与えてくれています。
また、一生ものは何度も店に足を運んで悩んで悩んで購入しています。
こうすると質のいいものを選択できる他に、愛着も湧きますし、なにより節約になります。これからも断捨離でムダなものを捨てていくのに合わせて、必要最小限のいいものを買っていこうと思っています。
それからこの本を読んで感じたこと、もうひとつ。
なんか、日本の古典の清少納言「枕草子」に似ているのですね。文体や話の展開が、初めての宮中に入って目新しい文化や価値観に触れていった清少納言に被りました。
断捨離をしたい人、している人には非常に良い本なので、ぜひ読んでみて下さい。
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