Wal-Mart Stores Inc. (WMT) 配当がでました –スーパーマーケット世界一売上と相反するブラック企業の内部事情
ちょっと投稿が遅くなってしまったのですが、Wal-Mart Stores Inc. (WMT)の2014年第2四半期の配当が出ました。
ウォルマートは、配当利回りが2~3%、業績も安定しており優良な会社です。私は、昨今の投資戦略の変更に伴い、資金を米国株に移しており、その中でも安定的な収入を得るため、1年ほど前にこの会社を購入しました。
ウォルマートは米国小売業界において、規模の経済性を追求したのはもちろん、徹底的な「低価格戦略」を実践し、成功させ、さらに低価格を毎日、恒常的に行う「エブリデイ・ロープライス(EDLP)」という斬新な戦略を構築しました。
日本の西友もウォルマートの資本参加に入りましたので、EDLPが行われています。
ちなみに、日本の小売業の歴史はこちらの過去記事を。
このオペレーションにより、ウォルマートは急成長し、現在でも安定した収益を得ています。
しかしながら、この成長も少し陰りが出てきたようです。中国での贈賄事件などの悪い側面が出てきているもそうですが、無理のある低価格戦略にもきしみが出てきているようです。
次のような記事を見つけました。ウォルマートがなぜ低価格が実現できているか、かなりブラックな内容です。
「ウォルマートの経営戦略に見るマルサス的世界観」
— ここから引用 —–
ウォルマートの戦略は、一言で言えば、規模の力で、徹底的なコストカット、特に人件費のカットを行うことにある。
冒頭で紹介した映画を見ればよく分かるが、あらゆる品物を扱うウォルマートが、小都市に進出すると、その都市の商店街は、ウォルマートの低価格攻勢の前に、瞬く間にシャッター街に変貌する。そして、働き先のない、それら破綻した商店の従業員は、ウォルマートで働くことになる。
しかし、彼らの給料といえば、貧困レベルなのだ。実際、2005年のウォルマートの従業員(フルタイムの正社員)の平均年収は14000ドル未満。 他に働き口がなくなってしまうので、ウォルマートは自由に賃金を決められるのだ。
こうした状態だから、従業員の家族は、食事に事欠いたり、病気の治療を受けようにもお金がない。 そこでウォルマートはどうするかというと、給料を上げるのではなく、公的支援を使えというのである。具体的には、貧困者向けのフードスタンプや、貧困者向けのメディケアを利用せよというのである。
— ここまで引用 —–
企業が公的サービスや資金にフリーライドする状況は日本でも見られます。
フリーライドとはタダ乗りのことです。
国や地方公共団体が提供するサービス(公共財)は利用者を特定することが難しいため、税金等で費用を負担した以外の人、もしくはサービスを受けさせようと意図した人以外の人がそのサービスをただで受けてしまうことがあります。
上記の、ウォルマートの例ですと、フードスタンプは、本来は貧困にあえぐ人が対象であったと思われますが、超安売り企業に焼け野原にされウォルマートに焼け出された地域の労働者が対象になってしまっています。ウォルマートが失業者を生み出した原因であるのですが、その尻拭いを地方公共団体に被せられてしまっています。
日本でもソフトバンク社が規制緩和を盾にして、それまで国営会社が整備した資産をただ使いするようなフリーライドまがいの話がありますね。
このようなコスト競争のみで勝ち上がっている企業は注目していく必要があります。
私は今、投資対象として資金を預けていますが、このような会社は長続きしないかもしれません。
日本でもブラック企業が話題になっていますし、amazonもウォルマートと同様に働いている方が苦しんでいるという噂も聞きます。
企業のあり方を考えさせられる事例ですね。
私は、比較的自由主義的、リバタリアン的な考え方なのですが、このような事例を見ると中庸な落とし所はどこなのだろうといつも悩んでしまいます。
追伸:
マルサスについては、私の過去の投稿(「経済古典は役に立つ」 再読 –歴史的経済思想家9人が織りなす資本主義の本質、投資は経験ではなく歴史から学ぼう!!)の中に登場する経済思想家ですが、
- 人口は幾何級数的に増加
- 一方、耕作地は算術級数的にしか増加しない
ことをベースにして、将来は食料が不足し、危機的な状況が訪れるという予言しました。
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