高橋是清と2.26事件と「今」 --昭和の時代から学ぼう。財政破綻気味の日本国の将来を考える

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日本のケインズ、高橋是清。戦前の彼の時代と現代の今の状況がけっこう似ています。

似ているポイントを挙げますと、

  1. ケインズ的財政政策でデフレを乗り切った
  2. 歳出の6割が軍事費、7割が国債で賄われていた
  3. 対立先 軍部 ⇔ 厚生労働省、社会保障、健康保険、年金、生活保護、社会福祉等

一つ目ですが、昭和の不況に陥っていた日本は、公共投資、軍事予算を大幅に増額して、経済に刺激を与えました。方法も、日銀の国債引き受けで現状と似ています。現在は、直接日銀が国債を引き受けているわけでなく、市場の国債を買い受けて、円という貨幣を流している状態です。通常の「買いオペ」という市場活性化政策の一つの方式ですね。そういう意味では現状は、まだルールの範囲内で行っているのでまともかと思います。
ただ、この方式も現在日本銀行のバランスシートが歪になってきていますから、いつまで持つかは分かりません。インフレで金利が上がったら国債の価値が下がりますから、バランスシートをかなり痛めることになります。
高橋是清の時代も悪性のインフレが始まり、結局引き締め金融の政策を実施します。軍部の予算を削られる陸軍が嫌がり、日本のクーデータとしては一番身近な、2.26事件が起きてしまいました。高橋是清は自分の政策を是正するための政策で、暗殺されてしまいました。

二つ目は、歳出の内訳の話。当時歳出の6割は軍事費でした。現状では歳出のかなりの部分が「社会保障費」ですね。

しかも、当時は7割が国債で賄われていたという、かなり末期的な状況でした。現在は、上記の平成27年の歳出、歳入グラフのように、50%弱国債で賄われています。戦前ほどではありませんが、これも末期的でしょう。歳出の25%が国債費、国債の利払いや償還に当てられています。

三番目としては、対立軸の話です。財政健全化は当然に普通の人は正しいと考えるのですが、そうは進まないのが財政の政策です。一度支出されたものは実績として次の予算に組み込まれ、政府予算は膨れ上がっていきます。選挙が生命線の政治家は当然に国民に痛みが生じる政策を嫌う方向にあります。そういったインセンティブがあると言ったほうが良いでしょうか。現在の資本主義にはこのような致命的な欠陥があるように思われます。
さて、では予算縮小を誰が反対しているか?戦前は軍部でした。現在は、既得権としている各省庁ですね。いまは、社会保障費が大部分を締めていますから、厚生労働省ということになります。彼らはこれらの利権を決して離しませんから、日本は財政が破綻するまで改善はされないでしょう
皆さんの将来設計もこれらのことを頭に入れて節約や投資を進めていく必要があります。
最悪の場合は、財政破綻により国民の不満が大きくなり、政情が不安定になる可能性があります。

昭和の時代と現在の状況を比べてみましたが、2つの現象には似ているところが多く相関があるように思われます。
では、昭和の頃は緊縮財政でどうなったか?軍事クーデータが起き失敗しましたが、その後戦争へとつながっていきました。日本国の経済も最悪の次元まで破滅しましたね。
今後も程度の差はあれ、経済的、政治的にかなり厳しい時代が来ると予想されます。

相関があるということと、因果があるということは別物ですが、準備をしておくことに損はないでしょう。

この記事のまとめ:

  • 昭和の時代と現在は、日本の財政的が危機的な点で非常に似ている
  • 既得権を離さない人々がいるため財政は膨らむ一方になる
  • 昭和の時代は高橋是清蔵相が暗殺された