街角経済45 福島第一原発の処理を視察してきた –福島の復興の現実!今は放射性物質は管理されていて2号機と3号機の間の至近距離で視察できます。
※画像は、東京電力ホールディングス様よりお借りしています。
2019年2月27日。Jヴィレッジ+福島第一原発視察の二日目です。
二日目はこの視察の目玉である、福島第一原子力発電所に実際に入って視察します。
ちなみに、現在は、マスクもベストもなく普段着で入ります。線量計を持たされるだけ。その状態で、2号機と3号機の間をバスで通過していきます。
前日のJヴィレッジの視察の様子はこちら。
「街角経済43 Jヴィレッジ復活と視察 –全12面のサッカーコートを有するナショナルトレーニングセンターがついに復活。ヽ(^o^)丿」
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■福島第一原子力発電所の現状
※画像は、産経新聞社様からお借りしています。
「福島原発事故8年 ゴール見えない廃炉の姿」
福島第一原子力発電所は1号機から6号機までありましたが、地震・津波の被害と現在の取り組みは以下のようになっています。
・1号機
水素爆発を起こし建屋屋根が吹き飛びましたが、残骸は現状は片付けられています。炉心は融解。
・2号機
爆発は、建屋パネルの脱落により水素が抜けたと推測され、奇跡的に避けられました。炉心は一部融解。
・3号機
水素爆発を起こし、大破。現在は、燃料プール内の燃料を取り出すために、蒲鉾型のドームを設置し、クレーンにて取り出す準備をしています。炉心は融解。
・4号機
炉心は融解していないが、なぜか水素爆発を起こした。理由はおそらく、1から3号機につながる管路から水素が漏れて爆発したと考えられている。
・5号機、6号機
標高が12mあり、津波被害が少なかった。全電源喪失を免れたため、業務が継続できた。しかしながら、建屋等の地震被害が大きいため廃炉。
■日程
この日は、次のような日程で、いよいよ本番の日です。
8:30 Jヴィレッジ出発
9:45 楢葉遠隔技術開発センター
10:00 廃炉資料館
11:20 福島第一原子力発電所
13:50 福島給食センター
14:40 廃炉資料館
15:30 富士フイルム和光純薬広野工場
17:00 広野駅
■工程
視察旅行二日目。Jヴィレッジを起って、福島第一原発に向かいます。まず廃炉資料館に向かい、そこからバスを乗り換えて福島第一原発へ。廃炉資料館でスマホなど撮影機器を置いていかなければならないため、写真はありません。厳重な検問を経て、福島第一原発の管理棟に到着。そこで、超厳密な個人個人の認証、説明、線量計の装着を経て、構内の専用バスに乗り込みます。
驚いたことがあります。以下箇条書きで。
・ななんと、コースの途中で2号機、3号機の間を通ること。多分建屋から40mくらいのところをバスで通過しました。
・そこが最大の放射線量でしたが、230マイクロシーベルト毎時とそれほど高くありませんでした。
・ちなみに、向かう途中の国道6号沿いは1.6マイクロシーベルト毎時くらい。また、検問を越えて入った福島第一原発内では意外にも線量が下がって、0.6マイクロシーベルト毎時と、福島第一原発内でもほとんどのところで全く問題ないレベルの放射線量です。このレベルだといわゆるソウルのほうが放射線量が高いと揶揄されるレベル。
・更に驚きが、そこまで接近しているのに、普段着のままで、マスクすらつけずに入ることができたこと。
これらは本当に驚きました。
いまは、線量を下げるための取り組みが功を奏していて、直接強い放射線を浴びる場所は、遮蔽物がない建屋周りや建屋内のみとなっています。
その後、帰宅困難区域も視察。道路は検問を越えて通れますが、道路の周りの家は誰もおらず朽ち果てています。また、道路の周りだけは20mくらい、左右を除染しています。除染していないところは昔は田んぼだったようですが、今は背の高い雑草が生えていたり、たくさんの柳の木が大きくなっており、野生に任せると8年でこんな感じになるのかと思いました。ただ、帰宅困難区域はかなり解除されており、今はかなり狭まってきています。まだ先は長いと思いますが、国や東電、地元の方々の努力を、目にすることがきました。
なお、40mくらいまで接近して見る1号機から4号機の迫力はすごいものがありました。周りの瓦礫はほとんど取り除かれていますが、特に1号機はまだ建屋がぐちゃぐちゃで、もう少し時間がかかりそうです。
■作業員の方々
補足ですが、敷地内では昔は7000人もの人が作業をしていて、お昼は地べたに座って昼食をとっていた混乱の時期も長かったとか(現在は一日4000人くらいの人が稼働)。数年前にそんな作業員向けの大きな建物が敷地内にできて(原子炉の比較的至近距離)、着替えや休憩や食事など、働く人の環境も大きく改善されたとのこと。私達もそちらの建物で昼食をいただきました。安価で熱々のものが供給できていることが、とても作業員の方には喜ばれているとのこと。
ちなみに今回はここ以外にもたくさんの施設を見学しています。その一つがこの敷地内に食事を供給している「給食センター」。敷地内では材料の持ち運びや大量の水を使えないので、セントラルキッチン方式、給食方式で如何に満足できるものを供給できるかが大変とのことでした。
■周りの街の様子
次に、避難困難区域は確かに街が死んでいる状態でした。常磐道も国道6号も開通しましたし、来年には常磐線も全線通じます。ただ、一部が通行可能になっただけで、その道路の周辺には行けない状況です。まだまだ、咲は長そうです。
比較的つい最近避難困難区域を脱した地区は、コンパクトシティなど新しい取り組みをしています。地元に帰ってきた人は自治体が提供する集合住宅に住まわせて、その中で活動・行動できるように小さな単位を形成するまちづくりをしていました。
地元の人に聞きましたが、田んぼが広がっていた昔より、ある意味、賑わいが出てきて昔より良くなったこともあるとのこと。地元の人も喜んでいるようです。
一度地獄のような事態を味わった地域ですが、未来を向いている人間の強さを感じました。ヽ(^o^)丿
■風評被害
もう一つの話題。
なかなか復興も進ま状況ですが、まだ根強く残る風評被害に苦しんでいるようです。悲しいことですが、避難指示を受けた地区も少しずつ狭まっている中で、いわれのない誹謗中傷が続いているのは、大きな問題だと思いました。
「福島第一原発は今?現場を歩いてわかった5つのこと」
福島第一原発は今?現場を歩いてわかった5つのこと – 日本の観光メディアMATCHA
敷地内はまるで工事現場? マスクなしで見学できるって本当? 2011年に事故が起きた福島第一原発は今、どうなっているのか。至近距離で見る原発構内の現場から、周辺の…
ワタクシゴトですが、2018年5月に本を出版しました。
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
ビジネス社さんより出していただきました。
この記事のまとめ:
- 福島第一原子力発電所を見学
- 今では、建屋の30m近くまで近づける状況
- そこで、230マイクロシーベルト毎時と放射線のコントロールはできているよう
- 周辺の国道6号で、1.6マイクロシーベルト毎時で除染も進んでいる状況
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