経営者と経営コンサルタント、投資家と投資コンサルタント --似て非なる、全く非なる人種について

大きな会社においては、経営コンサルタントのお世話になっている所も多いかと思います。会社の業績が悪くなった時や競争に晒された時には、どうしても他人の力を借りたくなるのが人情です。
特に経営というジャンルにおいては、一定の法則が効くほど簡単な稼業ではなく考えが行き詰まった時に、経営のプロに助言を求めたくなるものです。

しかしながら、少し裏返した見方をしてみましょう。
経営コンサルタントという人間は、決して経営のプロフェッショナルではありません。なぜなら経営をしていないから。
経営ができなるなら、わざわざ経営コンサルタントになる必要もなく、自分で事業をすれば良いということになります。
この稼業の方々は、「経営コンサルタントで稼いだお金」>「自分の事業で稼ぐお金」、なので経営コンサルタントをしている訳です。事業が儲かるなら自分の事業を立ち上げているはず。
また、経営コンサルタントは決して華々しい仕事ではありません。なぜなら、労働の時間や成果品に対してレバレッジが効く業態ではないため、つまり労働集約型の業態であるためです。つまり、あなたの依頼に対して、決して必要以上の時間を割いてくれません。最小限の時間しか割いてくれません。労働集約型事業の宿命ですね。華々しい言葉は発しますが、経営コンサルタント側の事情を考えると、彼らの成果品に一定の限界が有ることを理解しましょう。

ただ、経営コンサルタントを雇うメリットもあります。それは、

  • 経営コンサルタントをしている人は勉強をしていることが多く、知識豊富
  • それなりに企業を見ているので、事業を成功させることはできないが、なんらかしゃべること(資料を作ってもらうこと)はできる(効果はないにせよ)
  • 雇った方に今後の経営に対する考えがある場合で、決断を迷っている場合に限って、経営コンサルタントはファシリテーターとしての役割が効果的になる
などがあります。
ただし、決して過信してはいけません。
  • あなたの事業については、あなたのほうが圧倒的に知識、経験が豊富です。
  • 経営コンサルタントは何も実行してくれません。しゃべって資料を提出するだけです。当たり前だけど。
  • 経営コンサルタントは事業失敗の責任を負いません。当たり前だけど。
以上を踏まえて、経営コンサルタントをうまく使って行ければいいかと思います。ファシリテーターとして、自分を励ましてくれる存在、背中を押してくれる存在と割りきって使うのが良いのではないでしょうか。
さてさて、話は変わりますが、金融業界にも似たような人間の存在があります。
証券会社の人、全員でしょうか(笑)。
この人達も、儲かるなら自分で投資をすれば良いわけで、いちいち株などを紹介する必要が無いわけです。つまり、投資するノウハウも経験もないため、しょうがなく顧客に投資先を勧めて、手数料を得る稼業をしているわけです。
ですので、証券会社が紹介する案件、投資先はなんの意味もありません。一番儲かる投資先があるなら人には言いませんよね。
強いて言うと、一番手数料が稼ぎやすい銘柄でしょうか(笑)。全くあなたのためにはなっていませんね。
この辺の世の中のカラクリをきちんと理解したうえで、投資の方法を決めていってください。