村井直志先生の「強い会社の「儲けの公式」」 読了 –6つの企業事例に隠された「売上最大」「経費最小」のカラクリ
ランキングで、今こんな順位にいます☆(*・.・)ノ
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村井直志先生の著書になります。
先日、公認会計士 村井先生のセミナーに参加させて頂いて、非常に印象に残ったので書籍も購入してみました。
村井先生のセミナーの感想はこちら↓。
村井直志先生の管理会計セミナーに出席して1 –CVP分析から売上分解、KPI設定まで
さてさて、本の話題に戻ります。章立ては以下の通りです。
- AKB48は、なぜ売れる前から自前の劇場を持てたのか
- JALは、なぜ驚くべきスピードで復活、再上場できたのか
- コジマは、なぜ共同戦線の相手にヤマダではなくビックカメラをを選んだのか
- ユニクロは、なぜアパレル業界で初の売上高1兆円を達成できるのか
- アップルは、なぜ魅力的で革新的な商品を生み出し続けられるのか
- 青山フラワーマーケットは、なぜ市場の半額で花を売ることができるのか
本書は、全体的な話の流れとして、実際にあった企業の事例を挙げながら、管理会計の多面的な切り口を紹介しています。
それでは、具体的な切り口を見て行きましょう。
【1.AKBの事例】
固変分解の解説を通じて、秋葉原ドン・キホーテの貸し店舗を、なぜつんく♂が借りるのを断念し、秋元康が借りる決断ができたか、の判断の違いを紹介しています。
非常に面白いです。
さらに、AKSがマイクロファイナンス的なアイドルファンドを構築し、固定費のコスト分散をした発想を解説しています。
【2.JALの事例】
稲盛イズムの紹介です。
人件費を経費とみなさない発想転換を紹介しています。
これはどの会社でも参考になるのでは?
コジマの事例は、経営苦境に陥った解決策になぜビックカメラとの資本・業務提携が選択されたかを限界利益の観点から解説しています。
また、合わせてCSやFCFの観点から、日産自動車と三菱自動車の違いを説明しています。
ユニクロは、売上分解の話です。ユニクロが既存の小売業の慣習から発想転換し、ファブレス企業へ転身し、SPA形式を推し進めた経緯を説明しています。
やはり小売の話ですから、合わせて在庫の話、さらに事業の現在価値の話に進み、正味現在価値法(NPV)の割引キャッシュ・フロー法(DCF)に触れています。
また、この章の最後でオリンパスの粉飾決済の手法も紹介されており、「のれん代」の減価償却のギャップについて説明しています。なお、この件は、私が別に読了した書籍「会社法による決算の見方と最近の粉飾決算の実例解説」でも紹介されており、下記↓の私の記事もご一読下さい。
「会社法による決算の見方と最近の粉飾決算の実例解説」 –事実は小説よりも奇なりを感じる近年の粉飾決算を解説する良書
アップルの事例では、過去スティーブ・ジョブズが唯一失敗し、会社を追い出された過剰在庫の件を説明しています。
在庫に関しては、ABC分析、経済的発注量(EOQ)の手法が解説されています。
EOQは定量発注方式、定期発注方式等々手法があり、結構公式を覚えるのが大変なんですよね。昔、試験勉強で苦労したことを思い出しました。【6.青山フラワーマーケットの事例】
この章では、バランスト・スコアカード(BSC)の登場です。キーワードは述べられていませんでしたが、顧客目線を従業員が持つということでインターナル・マーケティングやインタラクティブ・マーケティングも含んだ内容になっています。いわゆる従業員満足度→顧客満足度の流れです。
さらに、青山フラワーマーケットでは固定費削減の手法として、花屋では必須と考えられていた胡蝶蘭をメニューから削除した効果も解説しています。
最後に私の印象に残った事項は、
稲盛さんの、時間あたりの採算、1時間あたりの付加価値で人事管理することを経営指標にすべき、というところで、人件費の180度違う見方が印象的でした。
利益の算出過程では、だいたい人件費を経費とみなすものですが、管理会計(特に稲盛式)では経営資源=付加価値を生み出す源泉と考えるわけですね。人件費をあまり強く経費として取り扱うべきではないことを学びました。
強い会社の「儲けの公式」 [単行本(ソフトカバー)] 村井 直志 (著)
この記事のまとめ:
- AKB48、JAL、コジマ、ユニクロ、アップル、青山フラワーマーケットの具体的事例で事業を分解
- 経営の定量化の手法を解説
- 経営を見えるようにするため、管理会計的な手法で幾つかの要素に分解
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