ロシア売り、暴落の事例検証 –戦争等の不確実性が上がることによる資金の引き上げ

下記の記事のように、マレーシア航空機撃墜事件を機に、ロシアが売られまくっているようです。

暴落の1事例ですが、このような突発的な事件が起こると一斉に資金が引き上げられてしまうのが、現在のグローバル経済の特徴です。
今回はこの事件を通して、ロシアの投資価値、今後の展開を考えてみましょう。

余談ですが、株式と債券は表裏一体の相関関係があって、リスクが高まると資金は債権に流れ債権の価格が上がります(金利が下がる)。一方、市場が楽観的なときは資金は株式に流れます。
しかしながら、このような突発的な事件の時には、国全体から資金が引き上げられてしまうので、いわゆるトリプル安(株安、債券安、通貨安)なります。
アメリカ人の気持ちになると(日本人でもいいけど)、暴落しているので、ロシア株やロシア国債を処分、国全体が怪しいのでルーブルを米ドルに替えることをしますので、株安・債券安、ルーブル安・米ドル高になります。
いまどきの金融は、資金の行き先が昔に比べて、株式、債権、商品(金や原油など)とネット上で簡単に売買ができますので、資金の移動が早いです。
こんな中で、スピードが要求されるババ抜きゲームに参加するのは大変つらく、さらに参加者はプロですので、このようなゲームには参加してはいけません。

そこで、今回の事件を機に、ロシア株式や通貨が潜在的な価値を保有しているかどうか、さらに5、10年単位で成長があるかを見ていく必要があります。

ロシアの現状を把握します。

今後のロシアの不安な事項

  • クリミアの紛争が戦争に拡大
  • 欧米陣営からの経済制裁
  • 外貨流出により国債償還ができない→デフォルト
ロシアの強いところ
  • 資源国、資源輸出国
  • サウジアラビア、米国に次ぐ世界第3 位の原油生産国
  • サウジアラビアに次ぐ世界第2 位の原油輸出国
エネルギー分野の成長に期待して、資源銘柄を探っている方にはいい買い時かもしれませんね。

止まらぬ「ロシア売り」株・通貨下落、資金流出

— ここから読売新聞記事引用 —–
止まらぬ「ロシア売り」株・通貨下落、資金流出
ウクライナでのマレーシア航空機撃墜事件を機に、ロシア経済が苦境に陥っている。

 厳しい経済制裁に及び腰だった欧州連合(EU)が強硬な姿勢に転じたためだ。ロシア株や通貨ルーブルは下落に転じ、資金流出が止まらない。近く公表される新たな制裁の内容次第では、日本経済に悪影響が及ぶ可能性もある。

 ◆7兆円流出

 17日の撃墜事件後、ロシア株は大きく売られている。指標であるモスクワ市場の「RTS指数」の25日の終値は1246・25と、16日の終値と比べ、約8%下落。英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのタチアナ・オルロワ氏は、「ロシアと西側諸国の亀裂が深まっている。ロシア株の『売り圧力』は、数週間にわたって続く」と分析する。

 23日には、ロシアや東欧などに投融資を行う欧州復興開発銀行(EBRD)がロシアへの新規投資の凍結を決定。ロシアはEBRDに4%を出資し、一定の発言権を持っているが、「反ロシア」の流れを止められなかった。

 ロシア中央銀行によると、今年1~6月の6か月間だけで、ロシアから約746億ドル(7・6兆円)の資金が流出。EUが厳しい制裁を打ち出せば、この動きが加速するのは確実だ。

2014年07月28日 08時23分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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もりかずお
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