ダウの負け犬戦略(Dogs of the Dow) –単純な割に効果がある投資戦略の3つの前提

にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ この記事に共感いただけたらクリックを!m(__)m
皆さん、「ダウの負け犬戦略」という投資法はご存知でしょうか?
投資を全くされてない方は縁のないキーワードだと思いますが、割安株投資の方々の間では有名な投資戦略です。

まず、ダウとは何かですが、正式には「ダウ工業株30種平均」といって、ダウ・ジョーンズ社が提供する株価平均の一つです。非常に歴史ある指数で、wikipediaによると「本名称では1896年に農業、鉱工業、輸送などの12銘柄でスタート。1928年に、30銘柄となった。」とあり、90年近く前にはニューヨーク証券取引所で使われていたようです。

ちなみに、現在、選ばれている30社はこちら↓
私が持っているのは、ウォルト・ディズニー(DIS)とP&G(PG)とウォルマート(WMT)です。

  1. AXP American Express Co.アメリカン・エキスプレス 金融 1982年8月30日 NYSE
  2. BA Boeing Co.ボーイング 航空機 1987年3月12日 NYSE
  3. CAT Caterpillar Inc.キャタピラー 重機 1991年5月6日 NYSE
  4. CSCO Cisco Systems, Inc.シスコシステムズ 情報・通信業 2009年6月8日 NASDAQ
  5. CVX Chevron Corp.シェブロン 石油 2008年2月19日 NYSE
  6. DD E.I. du Pont de Nemours and Companyデュポン 化学 1935年11月20日 NYSE
  7. DIS The Walt Disney Co.ウォルト・ディズニー・カンパニー 娯楽・メディア 1991年5月6日 NYSE
  8. GE General Electric Co.ゼネラル・エレクトリック 総合電機・金融 1896年5月26日 NYSE
  9. GS Goldman Sachsゴールドマン・サックス 金融 2013年9月20日 NYSE
  10. HD The Home Depot Inc.ホームデポ 小売業 1999年11月1日 NYSE
  11. IBM International Business Machines Corp.アイ・ビー・エム コンピューター 1979年6月29日 NYSE
  12. INTC Intel Corp.インテル 半導体 1999年11月1日 NASDAQ
  13. JNJ Johnson & Johnson Inc.ジョンソン・エンド・ジョンソン 医薬品 1997年3月17日 NYSE
  14. JPM JPMorgan Chase and Co.JPモルガン・チェース 金融 1991年5月6日 NYSE
  15. KO The Coca-Cola Co.ザ コカ・コーラ カンパニー 飲料 1987年3月12日 NYSE
  16. MCD McDonald’s Corp.マクドナルド 外食 1985年10月30日 NYSE
  17. MMM 3M Companyスリーエム 化学 1976年8月9日 NYSE
  18. MRK Merck & Co.メルク 医薬品 1979年6月29日 NYSE
  19. MSFT Microsoft Corp.マイクロソフト ソフトウェア 1999年11月1日 NASDAQ
  20. NKE Nike, Inc.ナイキ その他製品 2013年9月20日 NYSE
  21. PFE Pfizer Inc.ファイザー 医薬品 2004年4月8日 NYSE
  22. PG Procter & Gamble Co.プロクター・アンド・ギャンブル (P&G) 日用品 1932年5月26日 NYSE
  23. T AT&T Inc.エーティーアンドティー 通信 1999年11月1日 NYSE
  24. TRV The Travelers Companies,Inc.トラベラーズ 保険 2009年6月8日 NYSE
  25. UNH UnitedHealth Group Inc.ユナイテッド・ヘルス 保険 2012年9月21日 NYSE
  26. UTX United Technologies Corp.ユナイテッド・テクノロジーズ 航空宇宙・防衛 1939年3月14日 NYSE
  27. V Visaビザ その他金融 2013年9月20日 NYSE
  28. VZ Verizon Communications Inc.ベライゾン・コミュニケーションズ 通信 2004年4月8日 NYSE
  29. WMT Wal-Mart Stores Inc.ウォルマート・ストアーズ 小売業 1997年3月17日 NYSE
  30. XOM Exxon Mobil Corp.エクソンモービル 石油 1928年10月1日 NYSE

さて、ダウ工業株30種平均の話はここまでとして、この30社を使ってうまく儲かる戦略を考えたのが、「ダウの負け犬戦略」です。方法は以下の通り。

  • ダウ工業株30種平均を高配当銘柄で並べ直します。
  • その銘柄を、機械的に10社選びます。
  • その銘柄を、定期的に(例えば毎年)、入れ替えていきます。

この投資法が活きてくる環境や前提には次の3つのものがあると思います。

  1. ダウ工業株30種平均に選ばれる銘柄は、超優良銘柄である、と仮定する
  2. よって企業価値は高く、さらに維持される、もしくは増加する、と仮定する → 私のブログで言う「Fair Value」が高い
  3. 配当性向が維持される、と仮定する
以上の前提を持つと、「ダウの負け犬戦略」で選ばれた銘柄は、割安に放置されている銘柄であると考えることができると思います。実際この前提は成り立つと見て良いのでしょうか?
一つ目の超優良銘柄と言うのは、ダウ工業株30種平均に選ばれるくらいですからよっぽどいい会社であると考えて良いと思います。本業がしっかりしており、大きく崩れることがない、つまりリスクサイドもある程度限定できると考えてよいでしょう。
二つ目の企業価値が維持されるもしくは増加する点については、5倍とか10倍になるような成長株ではないにせよ、逆に半分になったまま帰ってこないということもないでしょう。企業価値が毀損されずしっかりと継続できれば、いつかは株価は戻ってきます。つまり一時は低迷して負け犬状態かもしれませんが、5年か10年待てる人は必ず報われる銘柄でしょう。
三つ目の配当性向が維持される件は、当然に安定した配当をしてきた会社なので30社に選ばれたのでしょう。ただ、一部Twitter社のように無配当の会社もありますので、配当の安定度は調べる必要があると思います。現在の高配当ベスト10は、

T AT&T, Inc. 5.40%
VZ Verizon Communications Inc. 4.50%
CVX Chevron Corporation 3.80%
GE General Electric Company 3.70%
MCD McDonald’s Corp.  3.60%
CAT Caterpillar Inc. 3.30%
PFE Pfizer Inc. 3.20%
MRK Merck & Co. Inc. 3.10%
PG The Procter & Gamble Company 3.00%
XOM Exxon Mobil Corporation 3.00%
となっています。

これらの負け犬銘柄を、定期的ではなく、全体的に株価が低迷している時に購入していけば、配当益と合わせて、当然にインデックス位は上回れるでしょうね。もし興味がある方は試してみてください。

また、NISA銘柄に迷っている方にも悪くない戦略かと思います。
なお、この戦略は、ジェレミー・シーゲル先生の偉大な著作「株式投資」にも紹介されています。

投稿者プロフィール

もりかずお
もりかずお代表