「武士の家計簿」読了 — 幕末の加賀藩御算用者であった猪山家、現代にも通じる生き残り策を過去資料から掘り下げ
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当書籍は、幕末から明治維新、そして明治時代を生きた、加賀百万石・加賀藩の算盤係を務め上げた猪山家の歴史を記しています。猪山家の仕事ぶり、運命を記していくことによって、明治時代の幕開け、その当時の混乱、武士の経済的崩壊をつぶさに教えてくれます。
章立ては、
第一章 加賀百万石の算盤係
第二章 猪山家の経済状態
第三章 武士の子供時代
第四章 葬儀、結婚、そして幕末の動乱へ
第五章 文明開化の中の「士族」
第六章 猪山家の経済的選択
となっています。
ちなみにこの本は、堺雅人、仲間由紀恵主演の映画にもなっていたんですね。2010年公開のようです。
wikiはこちら→「武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新」
この本のベースは、著者の磯田道史氏によるところが大きく、著者が神田の古本屋街に偶然に猪山家の古文書を見つけたことによります。著者は多大な時間をかけてこの古文書「金沢藩猪山家文書 入り払い帳・給禄証書・明治期書状他」を読み解き、明治維新時の武士の経済的状況、そして実務家であった猪山家の生活をつぶさに記述してくれています。
当書籍の中で非常に印象的だった記述は、江戸末期の武士の没落具合。私も当然に日本史では習ったわけですが、なぜ武士が「武士の商法」などという不得手なことをしなければならなかったか、その理由が分かりました。
江戸末期の士族の俸禄の制度はかなり疲弊しており、さらにその既得権も少しずつ取り崩されていました。しかしながら、士族同士の付き合いは引き続き濃厚で、そのための費用も大変な負担だったようです。
猪山家はその中でも、算術の才覚があったため、藩の財務的な役割を担うようになります。それをベースに明治維新後には海軍に採り立てられることになり、生き残ることができました。
ただ、それ以外の武家はほとんどが没落し、明治維新後は俸禄もなくなり、実力で身を立てる以外になくなったようです。
先日の私の記事、「労働者には不利なルールの資本主義、資本家への転身をオススメ –広瀬さんのマーケットハックと同じ結論を得た!」でも広瀬さんのブログ記事を紹介しましたが、この世の中は、革命的なニューエコノミーが起こるたびに、自分のせいではないのに、負け組になってしまう人々が多く生じてきています。
当書籍から得られる知見は数多くありますが、猪山家のように時代にあった専門性を得ることで、人生を豊かにすることができます。
人間として、既得権益にあぐらをかくような状況はできるだけ脱するように心がけたいですね。
この記事のまとめ:
- 明治維新は、既得権を持つ武家にとっては地獄のような革命だった
- 歴史的にも、ニューエコノミーと呼ばれる革命は頻繁に起こりうる
- 負け組に入らないように、時代にあった専門性を身につけよう
- 既得権は捨てよう
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