「投資の鉄人」読了 --4名の投資アドバイザーの方々のフェアな長期投資実践本。あなたを迷わす罠のカラクリを解いてくれます

当書籍は、個人投資家の見方としてフェアに長期投資をアドバイスしている4名の方々の考え方をヒアリングを元に取りまとめた書籍です。
投資をアドバイスする人はたくさんいると思いますが、ほんとうの意味での資産形成、長期の投資をアドバイスする方は非常に貴重な存在だと思います(大抵はどこかの証券会社や商品を売り込む会社のひも付きだったりします^_^)。

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当書籍は、投資において惑わされやすい点を、4名の方々が各々とき解いてくれています。

章立てですが、
第1章が、「情報に惑わされない」というタイトルで、馬渕治好さんの解説。
第2章が、「相場に惑わされない」というタイトルで、岡本和久さんの解説。
第3章が、「商品に惑わされない」というタイトルで、竹川美奈子さんの解説。
第4章が、「自分に惑わされない」というタイトルで、大江英樹さんの解説、
という展開になっています。

では、ひとつひとつ見ていきましょう。

「情報に惑わされない」

第1章の馬渕さんは、私は岩城みずほさんのCリーグの会でお会いしており、じつはこの本も、その打ち上げでじゃんけんで勝ち抜いて頂いたものです。こんないい本を頂けるとは非常にうれしいですね。
まず、馬渕さんは、市場アナリストという立場ですが、解説は喋る口調がとてもソフトで、面白い方です。よくギャグを言ったり面白い例えで解説してくださるので素人には非常に分かりやすいです。
当書籍のこの章も、馬渕さんの性格が現れていて、とてもわかり易くなっています(意外とギャグが少ないような気がしますが、笑)。

内容的には、あまり難しいことを考えずに常識を使う方法を強調しています。皆さんが普段の感覚で会社を捉えて、そして安くなったときに買うことを進めています。ピーター・リンチさんもそんなアドバイスでしたね。
そうすることで、プロにも勝てるし、プロですら間違うこともあることを示しています。
そりゃそうですよね。間違わないなら億万長者になれるし。

「相場に惑わされない」

第2章は、相場のお話。
人間心理の話が多い章となっています。岡本さんは証券アナリストを実際にされていた経験から面白い話が多いです。ジョン・テンプルトンさんの話など、興味深い話が多々出てきます。
投資家真理の話ではやはり暴落の話が出てきます。ITバブル、リーマンショックのはなしはとてもわかり易いと思います。相場は、ときに価値の高いものに対して割安な価格をつけるものですから、個人投資家はここをついていかないといけないですね。

「商品に惑わされない」

第3章は、各種投資商品の話。
アクティブファンドとインデックスファンドとの違い。個人投資家が採用すべき商品を紹介しています。当然にインデックスファンドの方が成績が良い事を強調しています。
この中でも、投資家が陥りがちな7つの罠ということで、ほぼ個人投資家が失敗するパターンを解説してくれています。頭が痛くなる人も多いのではないでしょうか。

「自分に惑わされない」

第4章は、不合理な行動をする投資家のお話。
人間って不思議なもので、理性的に考えていると思いこんでいますが、実はほとんど感情の動物です。みんな損が嫌と思う中で投資をしているため、より損失を増やしたりチャンスを逃したりしています。
こんな中で、どのように行動したら良いのか、よりシンプルに、また行動を変える方法を具体的に示してくれています。

■この本の良いところ

全般に、個人投資家の見方として、個人投資家が間違いやすいところ、有利なところなどを、今風の話題を網羅して解説しています。
少し五月雨式に詰め込んでいるところはありますが、この内容をすべて理解できれば、個人投資家は失敗することはないでしょう。

そういう意味で、これから投資を始める方は注意事項を知るために読んでおいて損はない書籍です。

この記事のまとめ:

  • 情報、相場、商品、自分に惑わされないよう、4つのテーマを4人の方々が解説
  • 個人投資家が注意をすべき点が網羅されている良書
  • 初めて投資をする方は読んでみたほうが良いのでは