「小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法」 読了 --6人のお坊さんの印象に残る教え。追い込まれたり気分が乗らない時にどうぞ!

「小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法」を読了しました(私が読んだ書籍はこちら)。
6名のお坊さんが日々の生き方について、いろいろな目線・観点から解決策のヒントをくれます。
悩みがあるときや精神的に疲れてしまった時に手にとってみると、なにかしら前向きな答えが見つかるような気がする、良書です。

この本を読んで2つの気づきがありました。
一つ目は、デール・カーネギーの良書である「道は開ける」と内容が重なっているものが多い点。
二つ目は、仏教の経典に出てくる言葉をきちんと解釈してくれる点です。

デール・カーネギーの道は開けるについては、私は10年ほど前に手にとってからあまりにも感動したので、それ以降悩んでいる後輩や部下を見つけるとプレゼントをしてきました。合計で5冊以上も購入しています。ヽ(^o^)丿
道は開けるには、「過去と未来への扉を閉じて、今を一生懸命生きよう」という教えがありますが、今回の「小さな心から抜け出す お坊さんの1日1分説法」にも同様なことが書かれていました。西洋でも東洋でも、人生訓はかわらないのですね。

二つ目は、仏教の言葉についてです。
私の家は曹洞宗なので、お盆などでは「摩訶般若波羅蜜多心経」を目にすることが多いです。
しかし、これまでその中の言葉の意味を深く考えてこなかったのですが、今回の本で一部意味を知ることができました。
仏教用語の例として、以下のものが出てきます。
知らないことが多く、非常に勉強になりました。(^_^)

  • 慢 → 自尊心が強い状態で煩悩。仏教のものの見方でも、非常に恐ろしいこと、だそうです。
  • 我慢 → 自分を高く見て他人を軽視する心
  • 無明 → 最も愚かなこと。何もかもがわかっていると思い込み、その思い込みが真実を隠してしまうこと
  • 眼・耳・鼻・舌・身・意 → 人間の感覚器官で、六根という。
  • 色・声・香・味・触・法 → 人間の心を穢すもの。六塵という。
  • 108つの煩悩 → 六根に良い・悪い・どちらでもないの3種類をかけた18、六塵に苦しい・楽しい・どちらでもないの3種類をかけた18、合わせて36に、過去・現在・未来の3つの世界を掛けあわせた36×3=108が煩悩だそうです。年末に鐘をたたく数ですね。
  • 貪・瞋・癡 → 三毒煩悩で、それぞれ貪りの心。怒りの心。無知の状態。
  • 8つの苦しみ → 生老病死の4つに、愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦を足した8つの苦しみ。四苦八苦。
  • 愛別離苦 → 家族や親しい人々とお別れしなければいけない苦しみ
  • 怨憎会苦 → 憎々しい会いたくない人とも会わなければならない苦しみ
  • 求不得苦 → 求めるものが得られない苦しみ
  • 五蘊盛苦 → 人間の肉体や精神が盛んに作用し際限がない苦しみ
  • 3つの御布施 → 法施、財施、無畏施
  • 法施 → お坊さんが法を説いて真実を悟らせる
  • 財施 → お金や物などの財を施す
  • 無畏施 → 人々の不安や恐怖を取り除く
  • 無罪の七施 → 眼施、和顔施、愛語施、身施、心施、床座施、房舎施
  • 眼施 → 優しい眼差しで相手と接する施し
  • 和顔施 → 穏やかな表情で相手と接する施し
  • 愛語施 → 思いやりのある言葉を相手に投げかける施し
  • 身施 → 自分の体を使って奉仕する施し
  • 心施 → 思いやりの心を持つ施し
  • 床座施 → 座席を譲ってあげる施し
  • 房舎施 → 雨露を凌ぐ場所を提供してあげる施し
  • 六道輪廻 → 地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天を生まれ変わること
  • 十悪 → 殺生・偸盗・邪淫・妄語・綺語・悪口・両舌・貪欲・瞋恚・愚痴
  • 殺生 → 生き物の命を奪うこと
  • 偸盗 → 人のものを盗むこと
  • 邪淫 → 邪な性行為をすること
  • 妄語 → 嘘をつくこと
  • 綺語 → 大げさに飾り立てて表現すること
  • 悪口 → 悪口を言うこと
  • 両舌 → 二枚舌を使うこと
  • 貪欲 → 際限なく貪り欲しがること
  • 瞋恚 → 怒り憤ること
  • 愚痴 → 心理を知らず愚かであること
  • 身口意の三業 → 「身」は殺生・偸盗・邪淫を生み出す。「口」は妄語・綺語・悪口・両舌を生み出す。「意」は貪欲・瞋恚・愚痴を生み出す。
  • 正見 → 物事をありのままに見ること
  • 一期 → 人間が生まれてから死ぬまでの間。一生。
  • 一会 → 会合や仏教の法要法会
  • 五観の偈 → 主に禅宗において食事の前に唱えられる偈文。一 計功多少 量彼来処 : 功の多少を計り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。二 忖己德行 全缺應供 : 己が徳行(とくぎょう)の全欠を[と]忖(はか)って供(く)に応ず。三 防心離過 貪等為宗 : 心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。四 正事良薬 為療形枯 : 正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。五 為成道業 因受此食 : 成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く。
  • 諸法無我 → すべてのものは移り変わり、永遠に変わらない実体(我)はないこと
  • 自業自得 →自分の行いが自分の未来を作っていくこと
  • 縁起 → すべての事柄が様々な条件が互いに縁り合って起こっていること
  • 一切皆苦 → あらゆることは皆、そもそも自分の思うようにはならないこと

最後に、般若心経を。

仏説・摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄
舎利子。
色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。
受・想・行・識亦復如是。
舎利子。
是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。
是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法
無眼界、乃至、無意識界。
無明・亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。
無苦・集・滅・道。
無智亦無得。
以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。
三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。
故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。
故説、般若波羅蜜多呪。
即説呪曰、羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶。
般若心経
(赤太字は上記の教えに出てくるキーワード)
般若心経の教えように、「こだわり」を捨てて、穏やかに日々を送りたいものですね。