「国債の歴史―金利に凝縮された過去と未来」再読 –400年に渡る国債の歴史から読み取る日本の現状
当書籍は、2007年4月頃に購入し、読了した書籍です。再度、読み返してみました。
小さいフォントの2段組で530ページ強という膨大な情報を載せている書籍です。
日本国債のバブルについては20年ほど前からまことしやかに囁かれ、現在では日本国債崩壊の危機を煽る方が多くいます。私は20年ほど前から日本国債のGDP比が過大であることを考え少しずつ勉強してきました。この書籍はその一環として購入したものです。なお、結論的に日本国債が将来暴落するのかどうかについては、私自身分かりません。すいません。
当書籍の章立てですが、序章を含めると17章で構成される内容で、
序章 市場の警告
第1章 イギリス国債の起源
第2章 コンソルの誕生
第3章 アムステルダムの外債市場
第4章 ナポレオン戦争で試された英仏の国債市場
第5章 ビクトリア朝の黄金期
第6章 南北戦争:グリーンバックとグレイバック
第7章 明治維新と国債
第8章 ロンドン外債市場
第9章 ワイマール共和国のハイパー・インフレーション
第10章 帝政ロシア国債のデフォルト
第11章 イギリスの5%戦争
第12章 ポワンカレの奇跡
第13章 国債の日本銀行引受
第14章 ナチスの国債
第15章 イギリスの3%戦争
第16章 長期国債2.5%の金利天井:アコードの検証
となっています。国債が初めて発行されたヨーロッパの状況から現代の日本の状況まで、国債の金利(いわゆる国債の価格、価値)を通して考察しています。
国債というのは現代ポートフォリオ理論でも「リスクフリーレート」として理解され、その国の中で最も信用力がある債権であり最も低い金利がついています。この国際でも内外の憂慮によってリスクプレミアムが上乗せされ売買されることから、この国債金利を見ることによって、その国の状況がわかります。
本書は膨大な資料の上、これまでの歴史上の国債金利について検証しています。
私は、国債の知識も造詣も深くないので、当書籍の評価は非常に失礼に当たると思いますので、個別の批評は控えさせていただきます。
しかしながら、当書籍は膨大な歴史的事実を記述していますので、現在の日本国債の状況が過去のどこかの国の事例に似ているかどうか等も見い出せると思います。このように歴史に学ぶためには非常に適切な書籍だと思います。
6,000円と価格は高い本ですが、手元において歴史をすぐに紐解けるという点においては、価値の高い一冊です。
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