「働く女子の運命」読了 –歴史的に複雑な女子の社会進出・雇用について書かれた書籍。雇用制度の矛盾点、その対応について深く考えさせられる良書!(゜-゜)
「なぜ日本の女性はこんなにも活躍していないのでしょうか」
当書籍は、女性の社会進出・雇用という、長い間課題となっているテーマについて、多面的な視点で原因を究明しています。
ランキングで、今こんな順位にいます☆(*・.・)ノ
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■章立ては?
章立ては、
序章 日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
第1章 女子という身分
第2章 女房子供を養う賃金
第3章 日本型男女平等のねじれ
第4章 均等世代から育休世代へ
終章 日本型雇用と女子の運命
となっています。
■歴史的背景を踏まえる
当書籍の構成は、日本における女性の社会性について、きちんと歴史を踏まえて、原因の本質に迫る方式をとっています。特に、第1章の女子という身分では、明治時代から女性の雇用について、法律の改正を丁寧に追いかけています。また、各種事件を列記し、詳細を説明することで、当時の社会の雰囲気、背景をできるだけ正確に踏まえようというスタンスです。
第1章は歴史的な読み物としても価値がある章だと思います。70ページと比較的ボリュームも大きく取っているため、特殊な環境であると言われる日本の雇用システムについての基礎知識を得られるでしょう。
私が興味を持ったのは、第2章。賃金についての考え方の歴史。
女性に関わらず、年功序列賃金体系、職能給、職務給の歴史が学べます。また、これらに内包される矛盾について、その時その時の政府や経済界がどのような落とし所で対応してきたかを垣間見ることができます。
第3章は欧米との比較で、日本の雇用形態に付いて語られます。総合職、一般職が現れた背景など、興味深いです。
■現代の課題の複雑性
第4章は、ほぼ現代の課題。キーワードとして、
・女性総合職
・転勤
・ワークライフバランス
・育休
・定時で帰る
・ジョブ型雇用形態
・高齢出産
などなど、複雑で多様な問題について、一つ一つ丁寧に解説が加えられています。
■当書籍の論理的特徴
当書籍は、これらの問題・課題について、拙速に答えを出したり、拙速に答えを求めるようなことをせず、直接的な答えを保留しているところが多いと感じました。読み進めると最初は背景の説明が多くやや冗長な感じを受け、結論が直接的でないためやや物足りない感じも受けます。
しかしながら、最終的には、歴史的背景も複雑で、矛盾も多く含むテーマについて、多面的に見るには非常に適切なアプローチである感じました。
テレビの討論会でもよく取り上げられるテーマですが、自分自身もきちんと背景を踏まえた上で考えを述べるべきであると痛感した、書籍であります。
この手法は、自著の、
「株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!」
amzn.to/2G1VtGw
でも取り上げています。詳細はそちらで。
この記事のまとめ:
- 歴史的に複雑な女子の社会進出・雇用について書かれた書籍
- 簡単には答えを求められないテーマについて、丁寧に解説
- 雇用について、過去から現在への流れを掴むには良い
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