「リスクを取らないリスク」 読了 –右肩上がりの経済成長、人口ボーナスが終わった日本で、ほんとうの意味のリスクテイクが問われています
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当書籍は、少し国の勢いが無くなってきている現在の日本において、今後はリスクを取らないと生活自体の質が下がっていくことを認識できるよう、警鐘を鳴らしている一冊です。
著者は、銀行での為替ディーラー、海外勤務を経て、ニューヨークで投資顧問会社を運営している凄腕な方です。日本のこれまでの経済成長、バブル崩壊を目の当たりにしてきている方なので、現在の日本が置かれた位置を冷静に判断しています。その上で、今後の暮らし方について、「資本主義の本質がリスクを取った者にご褒美がある」ことを説いて、より適切にリスクを取った生き方を提唱しています。
この本の面白いところは、日本における現在のリスクを具体的に示しているところです。具体的なリスクとして、「日本のさらなる資本主義化」の章では、経済がグルーバル化している中で日本がこれまでのようにリスクを毛嫌いして生きていくことはできないことを示しています。その次の章では、「格差」が広がることを予想し、リスクを取らない者が報われることがないことを示します。その他のリスクとして、円安、年金カットが挙げられています。
このようなことは、普通に考えれば起きることが予想され、起きないと考えるほうがおかしいのであって、今後はこのようなショッキングな経済出来事も織り込んで、対策を考えていかないといけません。
さて、私の投資戦略にも、日本の財政状況からいつかは必ず破綻もしくは破綻気味な状況になることを前提としています。これまで各国で国債が破綻した時、どの国も必ず厳しいインフレと通貨安、株安に見舞われています。この前提ですと、私の投資戦略でも実践されていますが、海外で資産を持つ、インフレに強い株式で保有する、というのが自然な発想になってきます。
話を戻して、書評ですが、この本のもう一つ面白いところは、最後の章に、お金で出来ない「リスクを取らないリスク」対策というのがあります。この章はなかなかの面白さで、その前の章がお金で出来る対策ということである意味ハード対策的な面を説明していますが、この章ではより精神的なソフト面な対策を示しています。
具体的には、
- 人生のキャリアを考える
- 好きなことをやる
- 他人ができないことをやる
- 体力、健康
- 胆力
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