「どうせ死ぬのになぜ生きるのか 晴れやかな日々を送るための仏教心理学講義」読了 --究極の問いに答えを見出した医師の方の仏教解説書です

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主な本を電子書籍で読むことにしてから2冊目になる書籍です。
著者は精神科医で特別仏教の出ではないのですが、若い頃からの悩みを仏教の「行」での解決に気づき、実践されている方です。

西洋の論理的な問題解決方法ではなかなか決着がつかない心の領域を、仏教的方法な解決することを推奨しています。心の問題は言葉に出来ないところにある、というのが著者がたどり着いた境地で、それは「行」という実践で身体的実感を通して解決していこうとしています。

まず、前提として「心」は「自分自身」ではなく乖離していて、さらに「心は常に揺れ動いて変化していて、乱れやすいもの」と捉えています。この乱れやすい心をどうしたら落ち着いた状況におけるのかが、当書籍のテーマとなっています。

具体的な実践として、非常にシンプルな方法を載せてくれています。例えば、

  • 怒りを鎮めるために、「今、私は怒っているぞ」とゆっくり心で唱える。⇒これ、私も実践し始めましたが非常に効果がありますね。す~っと心が落ち着いていきます。
  • 習慣的に、ひとつの行為に集中して、プロセスをやり遂げること⇒心が乱れそうなときに、メガネを拭くなど
これらが少しずつ出来るようになったら、最後は「瞑想」を勧めています。これも具体的な方法が提示されていて、
  • 数息観
  • 月輪観
  • 阿字観
というのが載っています。真言密教の瞑想の基本だそうです。非常に面白い方法だと思いますので、興味のある方は是非調べてみてください。
あと、興味深かったのが、西洋哲学に大きな影響を与えているフッサールの「現象学」。「物事を正しく見るにはどうすればいいのか」を突き詰めた学問のようです。今度勉強してみよう。
また、「維摩経」という、大乗仏教の本質ともなる「維摩さん」の逸話もあります。これもいつか調べてみたい事柄ですね。