名古屋グランパスを経営して看る4 –名古屋の補強は合理的なのか? 他クラブとの比較で見る1得点の価値
ここまで名古屋グランパスの収入の面について、3回にわたってデータを分析してきました。今度は費用面から見ていきたいと思います。
今回のテーマは、ズバリ名古屋の補強は合理的か?
1999-2013年に一度でもJ1にいたチームを対象にしています。
データは、各シーズンの1試合あたりの平均得点と各年度の営業費用を比べています。
これにより、1点を取るためにかけた費用を算出し、お金をかけていなチーム(得点効率のいいチーム)順で並べています。
軸は横軸がチームで、一得点あたりの費用少ない順で並んでいます。縦軸は、左側が百万円で、営業費用(水色)と1得点あたりの費用(緑色)、右側が点で、1試合あたりの平均得点(赤色)です。
なお、使っている費用データが営業データ全体なので、「補強に使った費用」ではありません。そういう意味で予算が大きなビッグクラブは費用が過大に出てしまっています。ご注意を。
さて、では結論的なところから。
一番いいのは甲府。1得点当たりの費用は12億円です。それに対して名古屋は26億円で少しお金をかけ過ぎかもしれません。
しかしながら、傾向として大きなクラブは全体予算の過大さもあって右側に寄っています。平均営業予算が30億円以上の大きなクラブ(G大阪、磐田、柏、清水、東京、鹿嶋、名古屋、横浜FM、浦和)の中では真ん中くらいの得点効率じゃないでしょうか?
総合的にまあまあいいのは大阪でしょう!!営業費用が多いチーム群にいるのですが、得点力が素晴らしいため上位の方にいます。川崎も良いですね。
逆に効率が悪いチームは、水色の棒と緑の棒が近寄っている、横浜FC、大宮、京都、大分、福岡でしょうか?
補強はチームの核となる戦術で、スカウトや人脈などの総合力が如実に現れるポイントだと思います。これが低いチームは正直、勝負事の結果がすべての業界でやっていくには大きな問題があると思います。経営以前の問題ですね。
具体的な数値は下記のとおりです。↓
ちなみに、1試合あたりの平均得点で並べ直すと、↓下記の通り。
大阪は凄い得点力ですね。あと攻撃的と言われているチームがきちんと上位にいます。
単純な比較をしたので、今ひとつ結果が綺麗に出ていませんが、今後のデータの扱いの課題としては、以下のことが考えられますね。
- 失点を考慮していないため、平均得点について平均失点との差を採ってみるもの良いかも。
- 予算が大きいチームが悪く出てしまうので、やはり補強費データがほしい。
- 平均の差の有意性がわからないため、検定が必要。
- チームによっては年度のばらつきが予想されるために、正規化して標準偏差も取る必要がある。
こんなところかな?
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